- 素敵だと思ったのに…
アイランドキッチンが「無法地帯」になる理由
アイランドキッチン。
雑誌やモデルハウスで見たときは、
あんなに素敵に見えたのに——
実際に暮らし始めてみると、
気づけばカウンタートップはごちゃごちゃ。
- 食後すぐに洗えなかった鍋やお皿。
- 持ち帰ったお弁当やマイボトル。
- お菓子、飲みかけのコーヒー、
- 飲み終わったコップ。
- 洗剤、つい買い足した調味料、
- いただきもの、買い物袋……。
「ちょっと置いただけ」のはずが、
いつの間にか、そこは完全なる無法地帯。
本来は“憧れのキッチン”だったはずの
アイランドキッチンが、
なぜこんな状態になってしまうのでしょうか。
- 私も「アイランドキッチン派」でした
実は私自身、
以前住んでいた一軒家では
アイランドキッチンを選びました。
理由はとてもシンプルです。
- 料理をしながら子どもの様子が見られる。
- テレビも、ついでに見たい。
- 一人でキッチンに立つのは、少し寂しい。
いかにも「理想の暮らし」らしい理由ですよね。
ところが、暮らしが進むにつれて、
その理由は少しずつ形を変えていきました。
- いつでも子どもを一人で見るのが、正直しんどい。
- テレビは遠く、音だけが中途半端に聞こえる。
- 寂しいどころか、本当は一人になれる時間が欲しい。
理想だったはずのオープンさが、
いつの間にか
「逃げ場のなさ」に変わっていたのです。
しかも、片付いていないと悪目立ちする。
気づけば
「片付けなきゃ」と
毎日ストレスを感じるようになっていました。
- アイランドキッチンがごちゃつく本当の理由
思い返してみれば、
アイランドキッチンが散らかりやすい理由は、
とても現実的です。
それは——
周囲に収納を確保しにくいこと。
壁に接していないため、
収納を増やそうとすると動線が悪くなり、
結果として
「とりあえず置く」場所が
カウンターになってしまう。
そもそも、アイランドキッチンが登場した背景には、
核家族化や共働き世帯の増加、
LDKを広く見せたいという住宅事情があります。
「調理する場所」から
「家族が集まるコミュニケーションの場」へと
キッチンの役割が変化した象徴でもありました。
おしゃれで、開放的で、複数人で使いやすい。
その一方で、
暮らし方が合わないと、
負担がとても分かりやすく表に出てしまう。
行き場を失ったものたちが、
自然と集まる場所。
それが、カウンタートップ。
だから、無法地帯になるのです。
- 解決策は「やめる」ことではない
― ライフオーガナイズという視点 ―
ここで大切なのは、
「アイランドキッチンは失敗だった」と
結論づけてしまわないこと。
問題は、キッチンの形そのものではありません。
今の暮らし方と、合っているかどうか。
そこを見直すことが、いちばんの近道です。
ライフオーガナイズでは、
いきなり収納を増やしたり、
片付けのルールを決めたりはしません。
まず考えるのは、
- 「このキッチンで、どんな時間を過ごしたいのか」。
- 料理をするとき、どんな気持ちでいたいのか。
- 誰と、どんな距離感で過ごしたいのか。
- 片付けに、どれくらいの労力なら
- 無理なく続けられるのか。
そんな思考の整理から始めます。
- 片づかないのは、仕組みが合っていないだけ
アイランドキッチンが無法地帯になるのは、
気合や性格の問題ではありません。
多くの場合、
物の量、使う頻度、戻す動線、
一時置きの受け皿といった
仕組みが暮らしに合っていないだけ。
ライフオーガナイズでは、
「とりあえず置く」行動そのものを責めるのではなく、
「なぜ、そこに置いてしまうのか」を丁寧に見ていきます。
そして、
- 置いてもいい場所をあらかじめ用意する。
- 使う人の動きに合わせて収納を配置する。
- 見せる/隠すを目的別に分ける。
そんなふうに、
人の行動を前提にした仕組みを整えていきます。
- 「アイランドかどうか」より大切なこと
たとえば、こんな本音はありませんか。
- 子どもの様子は、程よく見えればいい。
- テレビは、実は見えなくても困らない。
- キッチンでも、少し一人になれる感じがほしい。
- カウンタートップは、できれば何も置かれていない状態がいい。
これらはすべて、
「アイランドキッチンかどうか」ではなく、
暮らしの優先順位をどう設計するかの問題です。
背面収納をしっかり確保する。
調理スペースは壁付けにして、
カウンターだけをアイランド風に使う。
あるいは、
「全部オープン」にしない、という選択。
全部見せなくていい。
全部隠さなくてもいい。
暮らしにちょうどいい“間”をつくること。
それが、後悔しないキッチンづくりのコツです。
- キッチンは、毎日を支える場所だから
アイランドキッチンは、素敵です。
でもそれは、
「きれいに保てたとき」だけの話ではありません。
多少生活感があっても、
無理なく回り、
気持ちがすり減らないこと。
キッチンは、
理想を飾る場所ではなく、
毎日を支える場所。
だからこそ、
今の自分の暮らしを正直に見つめ、
自分に合った仕組みを選ぶことが、
いちばんの解決策なのだと思うのです。