前回は「バウンダリー(境界線)」についてお伝えしました。今回はその延長として、境界線パーソナリティ障害(BPD)との関係に焦点を当て、そのつながりをわかりやすく整理していきます。


精神科医療の現場で、私はこれまで多くの「境界線パーソナリティ障害」を抱えるクライアントと向き合ってきました。
境界線が壊れるとどうなるのか

境界線が脅かされているクライアントには、大変なことになるとわかっているのに、DVのパートナーを何度も選び直してしまう。支配的な親元を離れられずずっと不平不満を言い続けるなどの傾向があります。
一見すると「なぜ?」と思われる行動も、丁寧に見ていくと、長年にわたり境界線を踏み越えられてきた結果としての、精一杯の適応であることがわかります。
自分を守る境界線が何度も侵されると、人は「嫌だ」「助けてほしい」という感覚そのものを信頼できなくなります。
結果として、無意識のうちに同じ痛みの中へと歩み寄ってしまうのです。
そのつらさは「あなたの弱さ」ではない
「どうして同じような人間関係を繰り返してしまうのだろう」
そんなふうに感じたことはありませんか。
実はその背景にあるのが「バウンダリー(境界線)」です。
バウンダリーとは、自分と他人を分ける見えない境界線のこと。どこまでが自分の感情で、どこからが相手の問題なのかを分ける、大切な感覚です。
境界線パーソナリティ障害(BPD)と呼ばれる状態では、このバウンダリーが不安定になりやすく、人との距離が極端に近くなったり、逆に急に離れたくなったりと揺れが大きくなります。
でもそれは、決して「弱いから」ではありません。これまでの経験の中で、そうならざるを得なかった理由があるのです。
境界線があいまいになる理由
やはり、多くの場合の原因として考えられるのは、幼い頃から境界線が尊重されにくい環境にいたことが影響しています。
例えば、過干渉や支配、あるいは放置といった関わりの中で、「自分は何を感じていいのか」「どこまでが自分なのか」が分からなくなってしまいます。実は決して人ごとではなく、私はボーダーに差し掛かった節があるのでは?と感じたことがあります。家族が圧倒的に影響力が大きいと、必然的に自分の判断や決定力が他人に左右され、「アドバイス以上の力」を持つものとなります。
その結果、相手の気持ちを優先しすぎてしまったり、「嫌だ」と感じても言えなかったりします。気づけば、自分の感覚よりも他人の反応に合わせて動くことが当たり前になってしまうのです。
人に決めてもらわないと動けない人になってしまうのです。
回復は「安心できる体験」から
そんな中、大切なのは安心できる関係の中で「体験し直すこと」です。
NOと言っても大丈夫だった。
自分の気持ちを話しても否定されなかった。
その積み重ねが、少しずつバウンダリーを整えていきます。
境界線はあなたを守るやさしい仕切り

これは、ライフオーガナイズの現場でも支援者側によく見られるようです。
片付けの悩みの奥に、
「断れない」
「人に合わせすぎてしまう」
というテーマが隠れていることも少なくありません。
バウンダリーは、人を遠ざけるためのものではありません。
自分を守りながら、人と心地よく関わるためのものです。
できることと、できないこと。
受け入れることと、手放すこと。
葛藤しながらもそれを少しずつ分けていくことで、人との関係も、自分との関係も、自然に整っていきます。
もし今、支援者側、(もしくはクライアント)のあなたが少しでも「私のことかも」と感じたなら、それは変わる準備ができているサインかもしれません。焦らず、安心できる場所から、ゆっくり整えていきましょう。Life Design Lab.
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